英国という国は、私の印象では、まさに「進化する保守」という言葉がぴったり
【DAY33】
台風も過ぎ、爪痕残る各地の報道を見ながらも、身動きの取れない1日。
それでも、ZOOM会議や、資料の読み込み、ペーパー書きなどであっという間の1日でした。
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夜は、英国エリザベス女王の国葬のテレビ中継がされていましたね。
バッキンガム宮殿から公園を挟んだ向かい側に、日本大使館があったので、大使館勤務時代は、宮殿はランチがてらの散歩道でした。
日本の皇居に比べると、公園の目の前が宮殿ですから、身近だったことを思い出します。
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女王の”国葬”には、整然とした静けさの中に、荘重さと規律が醸し出されていて、英国の空気感を久々に感じる映像でした。
英国人と付き合って思ったことは、「入口は狭いが、いったん入ると奥は広い」ことです。最初はシャイで寡黙ですが、いったん仲良くなると実に義理堅い。北九州の方々みたいです^ ^
良し悪しではないですが、ちなみに、米国人と付き合うと、「入口は広い」印象です。最初からとにかく陽気で開放的。邪気なく広く友達になれる。
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思えば、英国赴任は、私にとって人生の転機でした。
あの頃、明確に、「行政組織から、そろそろ飛び出そう」と決意したものでした。
世界を見て奮い立ったこと、色んな世界を経験していよいよ活かしたいと思ったこと、様々な理由があったと思いますが、
「決められた道」ではなく、「進化し続ける挑戦」を選びたい、ということを英国が教えてくれた気がします。
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英国という国は、私の印象では、まさに「進化する保守」という言葉がぴったりです。
伝統や格式、積み重ねてきたものを実に大事にしながら、世界の先、時代の先を見据えながら、巧みに変化し、先手を打って世界の主導権を握る。
御託を並べて評論家的に理想を振りかざすことなく、実に実際的に物事を動かしていく。
そんな国柄を、外交の現場や、英国人とのお付き合いの中で幾度も感じました。
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その意味では、エリザベス女王も、それを体現しておられたのかもしれません。
70年間という途轍もない期間、君主として君臨しながらも、常に凛としたたたずまい、歴史と伝統をしかと守りながら、時に、開かれた王室に変化させ、フランクでお茶目な人間らしさを見せ、競馬で大はしゃぎする姿などチャーミングで堪りませんでしたね。
「変わることを恐れない」「変化していくことで歴史を守る」
この感覚を、しっかりと活かしていきたいと思った晩でした。
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今日も皆さん、ありがとうございます!
北九州なら、必ず、できる!